債務整理

自己破産とは、債務整理の一制度であり、自己の財産をほとんど処分されることを引き換えに、借金全額の支払い義務を免れる裁判上の手続きのことをいいます。
貸金業者から借りたお金を返すことがもはやできなくなったとき、債務者は、裁判所に対して自己破産手続きの申立てをすることができます(破産法15条)。
自己破産にはメリットとデメリットが複数に渡るため、詳しく説明します。

 

・メリット
①借金が全額なくなる
自己破産を利用する上で最大のメリットは、借金が全てなくなることでしょう。新しく生活をスタートしたいという方には最良の制度です。

 

②借金の取り立てがなくなる
これは他の債務整理制度とも共通しますが、弁護士や司法書士に自らの借金の整理を依頼した際には、貸金業者に受任通知が送られることとなり、それ以降は債務者に対して直接借金の取り立てをすることができなくなります(貸金業法21条9号)。
自己破産に限った話ではありませんが、借金の取り立てに困窮している方は手段の一つとして自己破産を検討する意義があります。

 

・デメリット
①クレジットカードが一定期間発行されない
自己破産を初めとした債務整理制度を利用した人は、社会的に信用に欠ける人物とみなされ、信用会社のブラックリストに登録されます。信用会社によりますが、最長では10年間クレジットカードを発行できず、ローンを組むことができなくなります。

 

②自己の財産がほぼ全てなくなる
自己破産を利用した際には、マイホームや自動車等の金銭に替えることができる財産はほぼ全て換価処分され、債権者に配当されます。
手元に残る金銭は、99万円の現金のみであるため、借金が増えたからといって安易に自己破産を選択することはお勧めできません。

 

以上が、自己破産におけるメリットと、代表的なデメリットです。
次に、自己破産の手続きの流れについて説明します。

 

①裁判所へ申立て
まずはお金を借りた人である債務者か、お金を貸した人である債権者が、破産手続開始の申立てを裁判所にします(破産法16条)。

 

②破産手続開始の決定
申立てがあった際、裁判所は、債務者の負っている債務の額を調べ、また、直接債務者の話を聞き、債務者が今後借金を返済できるかどうかを検討します。そして、債務者の借金が「支払不能」(破産法15条1項)、つまり、借金を返すことができないと認められた際に、裁判所は破産手続開始の決定をすることとなります(破産法30条1項)。
なお、この後の手続きは、債務者に金銭に換えることができる財産があるか否かによって枝分かれします。

 

〜債務者に財産がある場合〜
⑴管財人選任(破産法74条1項)
債務者が財産を勝手に処分して、債権者に配当されるはずであった金銭を侵害することがないように、管財人が弁護士の中から選任され、以降債務者の所有している財産は管財人の管理の下に置かれます(破産法79条)。

 

⑵債権者集会及び配当
管財人と債権者が集まり、債務者の財産を分配するための集会を行います(破産法135条以下)。これが適式に行われた後、配当が行われ、破産手続は完了となります。

 

〜債務者に財産がない場合〜
財産がないことが明らかなときは、破産手続開始決定をすると同時に、破産管財人を選ばないで破産の手続を終わらせるという、破産の「同時廃止」をすることになります。この場合には、破産管財人が財産をお金に換える手続は行われないため、破産手続開始決定がなされ、同時廃止の決定がなされたときに、破産手続が終了することとなります。

 

以上が、自己破産手続きです。
また、破産手続が終了したとしても、依然として債務者に債務は残ったままです。
債務責任を免れるためには、破産手続開始決定が確定した時から1ヶ月以内に免責許可申立てをする必要があります(破産法248条1項)。
免責は基本的に許可されますが、
・債権者を害する目的で、財産の価値を不当に減少させる行為や財産の隠匿をしたこと
・浪費または賭博行為によって自分の財産を減少させたこと
などがある場合には、免責されないことがあります(同法252条1項各号)。
もっとも、破産手続きに至った経緯などを考慮して、以上の状態にあっても裁判所の裁量によって免責許可される恐れもあります(同法252条2項)。
免責許可に関する裁量を判断することは困難であるため、自己破産をする際には、弁護士事務所にまずは相談されることをお勧めします。

 

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