未払い残業代の請求|時効は何年?弁護士に相談するメリットも併せて解説
労働契約に基づいて、日々労働力を提供している労働者には、使用者(会社側)から労働の対価として、賃金が支払われます。賃金の額・計算方法や、支払日等については、労働契約の内容によって異なり、就業規則において定められていることが多いでしょう。
その中で、所定の労働時間を超えて労働をすることを通常、時間外労働と言います。時間外労働に対しても当然に賃金が支払われる必要がありますが、「法定内残業」と「法定時間外労働」とでは扱いが異なります。
労働基準法上、労働時間は原則8時間以内と定められており、これを超えて労働をすると、1分であっても、法定時間外労働にあたります。
これとは異なり、所定の労働時間が7時間で、1時間の残業をした場合には、1日の実労働時間は8時間であり、法定時間内にとどまっています。
そのため、法定時間外労働とはなりません。
法定時間外労働にあたる場合、この時間の労働に対しては、通常賃金の125パーセント以上の賃金を使用者が労働者に支払うことが労働基準法上要求されています。
上述のように、残業に対しては1分単位で残業代が支払われる必要があります。
そして、労働者は労働の対価としての賃金請求権を有することと同様、残業代請求権を有しているということになります。
もっとも、未払い残業代の請求権も債権であり、消滅時効の完成によって、消滅します(請求できなくなります)。
以下、残業代請求権の消滅時効について解説します。
2020年4月1日以前に支払期日が到来する賃金請求権について
法律が改正される前の労働基準法には、「この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によって消滅する」と定められていました。
残業代請求権は、賃金請求権にあたるため、この条文によって、請求権を行使することができる時から2年間で消滅時効が完成します。
2020年4月1日以降に支払期日が到来する賃金請求権について
改正後の労働基準法では、「この法律による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によって消滅する。」と規定されました。
もっとも、施行規則において、「当分の間」「五年間」とあるのは「三年間」とすると段階的に改定する措置が設けられました。
なお、ここで3年間とされる請求権の範囲は規定されており、退職金などはこれに含まれません。
以上の改正によって、当面の間は、残業代の請求ができるときから3年間請求権を行使しなかった場合、時効によって消滅します。そして、段階的にこの期間が5年間となります。
民法の一般規定では、行使できる時から10年間、行使できることを知った時から5年間で債権は消滅時効が完成するため、当面の間、これらよりは期間が短いものの、時効完成期間が延びたことは、労働者の保護が拡充されたことを意味します。
弁護士に相談するメリット
残業代請求権は上述のように時効によって消滅してしまいますが、これを防ぐための方法もあります。
たとえば、催告することによって時効完成が6か月間猶予されたり、請求権を承認させることによって時効が更新(再スタート)します。
時効の猶予や更新は、その証拠を残す必要がありますが、弁護士に相談すれば、知らないうちに時効が完成しないよう適切な措置を講じることができます。
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