交通ルール・安全啓発

自転車への青切符導入を考える

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自転車による交通ルール違反にも「青切符」が適用されます

2026年4月から、交通反則通告制度(青切符)が、自動車やバイクだけでなく自転車にも適用されるようになりました。対象年齢は16歳以上です。

道路交通法に違反する行為の全てに刑事罰を科す(前科にする)のは過酷であり、警察・検察に対応できるマンパワーはありません。他方で、道交法違反を放置することも適切ではありません。そこで、①違反に対しては警察による指導監督を基本とし、悪質・危険な違反行為は検挙する、②重大な違反や、違反により現実に交通事故が発生した場合は、検挙後に刑事手続きへ進む(赤切符)、③それ以外の悪質・危険な違反行為は、検挙後に青切符により反則金(行政罰)を課すことで、ルール違反を適正に抑止するという仕組みです。

警察官から反則行為となる事実が記載された用紙(青切符)と納付書が交付された翌日から7日以内に銀行等で反則金を仮納付すれば、刑事手続に移行せず起訴はされません。

仮納付しなかった場合、青切符に記載された指定の期日に交通反則通告センターに出頭し、反則金の通告書と納付書の交付を受けます。通告を受けた翌日から10日以内に反則金を納付すれば、刑事手続に移行せず起訴はされません。

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基本ルールと反則金・刑罰の確認

青切符制度を解説した「自転車ルールブック」(警察庁交通局)には、対象となる違反行為が113種類挙げられています。rulebook.pdf

おもな反則行為ごとの反則金、罰則(刑罰)について、表にまとめました。

自転車の交通安全イラスト1
反則行為 反則金 および 罰則(刑罰)
①車道右側通行(逆走)
反則金 6千円
3か月以下の拘禁刑、または5万円以下の罰金
②歩道徐行等義務違反
反則金 3千円
2万円以下の罰金、または科料
③信号無視
反則金 6千円 点滅信号無視は5千円
3か月以下の拘禁刑、または5万円以下の罰金
④一時停止義務違反
反則金 5千円
3か月以下の拘禁刑、または5万円以下の罰金
⑤夜間無灯火
反則金 5千円
5万円以下の罰金
⑥並進禁止違反
反則金 3千円
2万円以下の罰金または科料
⑦遮断踏切立ち入り
反則金7千円
3か月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金
⑧傘差し運転
反則金5千円
5万円以下の罰金
⑨携帯電話保持運転
反則金 1万2千円
6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金
⑩イヤホン使用運転
反則金5千円
5万円以下の罰金
⑪飲酒運転
*反則金はなし。刑事罰のみ。
(酒酔い運転の場合)
5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
(酒気帯び運転の場合)
3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金

日ごろ自転車に乗っている皆さんは、自分がやってしまいそうな違反行為はどういう行為かを、よく思い浮かべてみるようお勧めします。

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事故の当事者とならないために

自転車の交通安全イラスト2

筆者は天気の良い朝の出勤時は自転車で二駅ほど先まで走ること多いのですが、観察すると、通勤・通学時間あるいは保育園への送り時間は特に、車道の逆走、歩道の高速走行、一時停止せず交差点に進入する等の危険な行為が目立ちます。急いでいると「たぶん大丈夫」という安易な発想に陥りがちなのでしょうが、それが重大事故のもとです。本来、急いでいる時やストレスで集中力が欠けている時は、自転車には乗らない、他の移動手段を選ぶというのが正解です。

反則金や罰金を科されないことも大事ですが、何より大切なのは事故により自他を傷つけないことです。自転車事故に対応した保険に加入していない場合、重大事故を契機に経済的にも苦境に陥ることになりかねません。事故の相手方が死亡あるいは重い後遺症を負ったケースで、数千万円レベルの賠償を命じられた民事裁判も珍しくありません。

万が一にも事故の当事者とならないため、青切符制度導入を良い機会と捉え、自転車運転のルールを自分の中で血肉化・習慣化することを呼びかけます。

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自転車が安心して走行できる街づくりを

他方で、警察行政的な取締り強化だけでは、自転車は「利用しづらい」「すぐに違反を言い立てられる」ネガティブな移動手段ということになってしまいかねません。

「自転車が安心して走れる道路が少ない」「車道が怖くて歩道を走らざるを得ない」という声が多くの自転車利用者から上がっており、これには根拠があると思います。

2016年に、自転車の利用促進を通じて環境負荷の低減や国民の健康増進を図ることを目的とする自転車活用推進法が成立しましたが、縁石で区画された自転車道や、車道と混在しない自転車専用レーンの整備・拡充は十分には進んでいません。車道の左端にナビマークをペイントしているエリアは増えましたが、これは道路交通法(車道左端走行)を守るよう誘導しているだけで、自転車専用レーンではありません。自動車が侵入しない自転車道・自転車専用レーンが整備・拡充されなければ、自転車利用者の不安や危険は解消されないのです。

今後は、国政でも地方自治体でも、推進法の理念を具体化する自転車政策を持つリーダーを選ぶことが重要です。

もとより法令も絶対ではありません。例えば、自転車の並走は日本では違法ですが、オランダでは合法、ヨーロッパの他の国々でも交通状況次第で並走が認められています。安全な自転車走行を重視したインフラ整備の充実により、楽しく会話しながら自転車で並走できる国は、現に存在します。社会が変われば、法も変わるのです。

2022年、オランダから東京都杉並区に移り住んだ岸本聡子さんが区長に当選し、自転車で初日登庁したことが注目されました。24年に策定された「杉並区自転車活用推進計画」は、区民アンケートも活用しつつ「自転車フレンドリーなまちづくり」を掲げています。推進法の理念を具体化する計画として、他の自治体も参考にすべき先進的な内容です。岸本さんは今年再選されたので、政策の進展が期待できます。

単に法令を守るという受け身の姿勢ではなく、自転車が安心して走れる社会をめざし主権者として選択し行動する、という視点が大切だと考えます。