アスベスト被害

 かつてアスベストによって工場労働者が健康被害を受け、問題になりました。未だ多くの被害者が存在しているといわれています。また、アスベストを含んだ建物は全国各地に多数存在しており、今後特に解体作業従事者のアスベスト被害が深刻になると言われています。

 工場型のアスベスト被害については、国が賠償責任を負うことが判決によって確定されているため、訴訟を提起すれば国と和解して損害賠償の支払いを受けられることになっています。

 建設型のアスベスト被害については、来年以降最高裁判決がでると言われており、少なくとも国に対する責任は認められる可能性が高いです。メーカーに対する責任についても一部の作業従事者を除き、認めている判決があります。

 

 では、工場型のアスベスト訴訟が認められる条件にはどのようなものがあるのでしょうか。最判平成26109日民集688799頁によれば、

・昭和33526日〜昭和46428日の期間に、局所排気装置を設置すべきアスベスト工場で、アスベストの粉塵にばく露する作業に従事したこと

・その結果、アスベストによる一定の健康被害を被ったこと

・提訴の期間が損害賠償請求権の期間内であること

これらが条件になります。そして、実際の訴訟においては、これらの条件を満たすことを示す証拠が必要となります。日本年金機構の発行する「被保険者記録紹介回答票」や都道府県労働局長の発行する「じん肺管理区分決定通知書」、労働基準監督署長発行の「労災保険旧支給決定通知書」、医師の発行する「診断書」などを用意できると良いでしょう。

 

 中野すずらん法律事務所の弁護士は、原発被害の弁護団やアスベスト被害の弁護団に所属しています。原発被害やアスベスト被害でお悩みの方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

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