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兄弟姉妹の中で一人だけ相続放棄できるか?

 相続が発生した場合には、相続財産をそのまま承継する相続の単純承認、相続財産を放棄する相続放棄、相続財産のうち一部のみを承継する限定承認のうち、いずれか一つを相続人が選択することが可能です。

 具体的には、特になにもしなければ単純承認となり、亡くなったときから原則3か月以内に家庭裁判所で手続きをすれば相続放棄となります。

 当記事では、親が亡くなったとき、あるいは兄弟姉妹の誰かが亡くなったとき、兄弟姉妹の中で一人だけ相続放棄することができるかという疑問や注意点について解説します。

兄弟姉妹で一人だけ相続放棄できるのか

 結論としては、兄弟姉妹で一人だけ相続放棄をすることは可能です。

 放棄された相続分が、他の相続人に分配されることになります。

 ただし、財産が乏しく借金(債務)の方が多い場合は、注意が必要です。相続放棄した本人は、相続人ではなくなるため、債務を返済する義務から免れます。しかし、他の相続人にも情報提供しておかないと、相続放棄せずに債務を負ってしまう可能性があります。

 また、相続財産に不動産が含まれていた場合、相続放棄をしても注意しなければならない点があります。それは相続の放棄をした者による相続財産の管理についてです。

 民法9401項では、「相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。」と規定されています。

 例えば、親(被相続人)と同じ建物(親名義)に住んでいた子(相続人)が、親の死亡により発生した相続を放棄したとします。その場合、建物も相続放棄したことになりますが、相続人などに引き渡すまでの間、火災や崩落などの事故が起きないように注意して管理しなければなりません。

 ちなみに、令和5年に民法が改正されるまでは、この管理義務が非常に厳しい内容でしたが、改正により緩やかな内容となりました。

相続に関するご相談は中野すずらん法律事務所にお任せください

 相続に関連する問題は、非常に複雑なものが多く、相続人間でトラブルとなりやすいため、相続人同士で揉めてしまっているときや、相続放棄ついて疑問点がある場合には、弁護士へご相談ください。

 中野すずらん法律事務所では、相続放棄をはじめとする相続問題に関するトラブルも専門的に取り扱っておりますので、お困りの方は一度ご相談にお越しください。

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