自動車事故

「追突事故の被害に遭い、首を痛めてしまった。どのように損害賠償請求の手続きを行っていけばよいのか分からず困っている。」

「示談交渉を進めているが、保険会社の提示額が適切な金額なのか判断できず、困っている。」

 自動車事故では、どのような損害を請求できるのか、請求の際の注意点について解説します。

 

■交通事故の種類と損害項目

 交通事故は、その態様から3つの種類に分けることができます。

 

①物損事故

 物損事故は、自動車や家の塀など何かのモノに被害があった交通事故をさします。人が怪我をしていない事故は物損事故に該当します。物損事故で加害者(運転者)に対して損害賠償請求できる項目は、修理費用、同等の物の購入費用などです。

 

②人身事故

 人身事故における怪我の程度はさまざまで、軽いかすり傷から後遺症が残ってしまうものまであります。人身事故で損害賠償請求できる項目は、入院費や通院費など怪我の治療費のほかに、病院までの交通費、入院や通院に要した日数に応じて支払われる慰謝料などがあります。

 なお、後遺症が後遺障害として等級認定を受けると、後遺障害についての慰謝料や逸失利益を請求することができます。逸失利益とは、交通事故の被害に遭わなければ得られていたはずの将来の収入をさします。

 人身事故では、後遺障害の有無によって、賠償金額が大きく変わってきます(数百万程度変わります)ので、医学的知見に詳しい弁護士へ相談するのが望ましいです。

 

③死亡事故

 死亡事故では、被害者の方は亡くなられているため、遺族(相続人)の方が加害者に対して損害賠償請求を行うことになります。また、慰謝料については、亡くなられた被害者に対するもの(死亡慰謝料として2000万円~3000万円程度)、そして遺族の固有の慰謝料(100万円~200万円程度)を合わせて請求することが認められています。さらに、葬儀費や、被害者の逸失利益なども請求することが認められており、損害賠償額が高額になるケースが多いです。

 

■請求の際の注意点

 上記のように、交通事故はその種類によって、損害賠償の項目や手続きに大きな違いがあります。

 一方、加害者の側から、被害者にも前方不注意など落ち度があった(過失相殺といいます)と主張されることも多く、その場合、事故現場の客観的状況、当事者の年齢、当事者の行動などから、過失割合が決められます(損害額がその分減額されます)。精神的にも肉体的にも疲弊されている被害者の方が、治療だけでなく相手との賠償交渉を行うことは、大きな負担となります。まして、過失相殺(あなたにも落ち度がある)と言われると、精神的に更に追い詰められてしまいます。

 交通事故で、一番注意しなければならないのは、保険会社との交渉です。保険会社と交渉する際、保険会社が請求相手であって、保険会社の提示額が正しい基準だと錯覚してしまいがちです。しかし、請求相手はあくまで加害者個人であって、保険会社はそれを代行しているに過ぎません。また、保険会社の提示額はあくまで保険会社内部の基準であって、法律的に認められる(裁判所が認める)金額とイコールではありません。

 保険会社の提示額に納得できなければ、決して保険会社が提示する書類にサインしてはいけません。書面には「これ以外は請求しません」との文言が入っていることが多いため、一度サインしてしまうと、後から請求することが難しくなります。

 このように、交通事故の賠償交渉は、複雑なうえに負担も大きいので、弁護士へ依頼することをおすすめします。

 

 中野すずらん法律事務所は、中野区、杉並区、練馬区、西東京市を中心に、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県にお住まいの方を対象に、自動車事故や自転車事故など交通事故に関する事案を幅広く取り扱っております。交通事故でお悩みの方は、中野すずらん法律事務所までどうぞお気軽にご相談ください。

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