ハラスメントの定義
□ハラスメントとは
ハラスメントとは、嫌がらせやいじめにより、相手を不愉快な気持ちにさせたり、精神的・身体的苦痛を与え、人格や尊厳を侵害する行為を指します。
ハラスメントに関する労働相談は20年前と比較すると約4倍以上に増えており、近年では、パワハラ防止法が施行されるなどハラスメントに対する法整備が進んでいます。また、時代の変遷に伴って、「○○ハラ」といった言葉が登場し、ハラスメントに対する意識も様々な場面で高まっています。
次に、代表的なハラスメントをいくつか説明します。
・パワーハラスメント(パワハラ)-厚生労働省の定義
同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為又は職場環境を悪化させる行為のこと
・セクシャルハラスメント(セクハラ)-男女雇用機会均等法の定義
①職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したことで解雇、降格、減給などの不利益を受けること(対価型セクシュアルハラスメント)
②性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に大きな悪影響が生じること(環境型セクシュアルハラスメント)
・マタニティハラスメント(マタハラ)-育児介護休業法などの定義
妊娠・出産したこと、産前産後休業又は育児休業等の申出をしたこと又は取得したこと等を理由とした、解雇その他不利益な取扱い、又は上司や同僚による嫌がらせ(ハラスメント)のこと
・モラルハラスメント(モラハラ)
身体的な暴力によらず、言動や態度といったモラル(道徳)によって、夫婦間、親子間、友人間などで、相手に精神的な苦痛を与えたり、嫌がらせをすること
・セカンドハラスメント(セカハラ)
ハラスメントの被害者がその事実を周囲に相談したことで、逆に被害者が周囲から圧力を受けたり、嫌がらせをされるといった二次的被害を受けること
□ハラスメント被害の回復
ハラスメント被害を回復するためには、2つのハードルを越えなければなりません。
①ハラスメントの立証
一つ目は、「立証のハードル」です。たとえば、会社内でパワハラ被害にあった場合、会社が調査しても、パワハラ加害者が、「確かに○〇と言いました」と認めることはほとんどありません。労基署が調査に入って、同僚に聴き取りをしても、同僚もパワハラ加害者からの報復を恐れてしまい、協力してもらえないこともあります。そして、裁判で訴えても、録音など客観的な証拠がないと、パワハラがあったことを認定してもらうことは非常に難しいのが現状です。
②ハラスメントの評価
二つ目は、「評価のハードル」です。たとえハラスメントの事実が証明できたとしても、期待するような評価が下されるかどうかは別問題なのです。ひとくちに「ハラスメント」と言っても、その内容と度合いによって、問われる責任が異なってくるのです。
たとえば、職場で上司から「恋人いるの?早く結婚したら?」と聞かれ、本人が嫌な思いをすれば、セクハラに該当するでしょう。しかし、それによって法的責任が発生するかいうと、それは別問題となります。
この場合は、道義的責任(職場内で注意を受ける、再発防止に取り組むなど)はあるけれども、法的責任(慰謝料を支払う)までは問われません。法的な損害賠償の対象となるのは、身体に触れるなど悪質なセクハラの場合です。
また、労災の認定基準では、セクハラを原因として労災が認められる(労災認定基準の「強」に該当する)ためには、「胸や腰等への身体接触を含むセクシャルハラスメントであって、継続して行われた場合」が必要とされています。したがって、1回身体に触れられた場合は、慰謝料の対象にはなりますが、それによってうつ病になって会社を休職してしまったとしても、労災として認定されるのは難しくなります。
一方、無理やりキスをするなどのセクハラの場合は、もはや民事責任に留まらず、強制わいせつ罪として刑事責任も問われ得る事態となります。
このように、ひとくちに「ハラスメント」と言っても、その内容や度合いに応じて、問われる責任が異なってくるのです。
以上のように、ハラスメントの被害回復は簡単ではありませんので、ハラスメント被害を受けた場合、なるべく早く弁護士に相談して、証拠の確保や責任追及の方法などを相談することをおすすめします。
中野すずらん法律事務所では、中野区、杉並区、練馬区、西東京市を中心に、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県にお住まいの方を対象に、パワハラ、セクハラ、モラハラなどハラスメントに関する職場の法律問題、家庭の法律問題を幅広く取り扱っております。ハラスメントでお悩みの方は、お気軽に中野すずらん法律事務所までご相談ください。
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